竹ヶ花日記

高齢出産を経て松戸で子育てしながら働く母さんの日記です。

「ノーサイド」をラジオで耳にして

ティーンエージャーの一時期、荒井/松任谷由実さんの作る音楽にものすごく心酔していたことがあった。その当時私はカナダに住んでいたのだが、補習校の同級生でユーミンを聴いている人がいて、その子にカセットやCDを借りたのがきっかけだった。ちょうどアルバム”Delight Slight Light Kiss”が発売された頃だったか。日本に住んでいた時はアイドル四天王(!)の音楽を聴いていたような小学生だったので、ユーミンの歌う歌詞の大人っぽさがとても新鮮だった。

特に感銘を受けたのが、アルファレコードが出した荒井由実時代の作品のコンピレーションアルバム。「ベルベット・イースター」の出だしのピアノの旋律の美しさと、歌詞の描く世界の静謐さが印象に残った。我ながら渋い好みだなとも思うけれど、当時バブルの香りが漂っていた松任谷由実名義のアルバムより数倍好きだった。

それでも松任谷由実名義のアルバムもそれなりに聴いていて、”NO SIDE”もやはり先述のクラスメートにカセットを借りたが、決して聴きこんだという感じではなかった。スポーツに打ち込む男性を静かに見守る私(女性)、みたいな歌詞に昔から共感できない性格だったからかもしれない。

でも昨日昼のNHK FMで「ノーサイド」のイントロを耳にした時、「この曲…!」とすぐに気づいて、歌詞もほとんど暗記していたことに我ながら驚いた。若い頃の記憶力が抜群だったということよりも、その頃はそれだけ一つ一つの音楽を真剣に聴いていたことの証だと思った。歌詞の世界には相変わらず入り込めなかったけど、歌われている冬の日の情景を頭の中で鮮やかに描けるほど、ユーミンの歌詞は力強かった。